歴史

ゲーム理論は、1944年、数学者フォン・ノイマンと経済学者モルゲンシュテルンによる共著『ゲームの理論と経済行動』*1の発表を出発点として創設されました。
『ゲームの理論と経済行動』というタイトルからも分かるとおり、ゲーム理論は主として経済学への応用を意識しつつ発展してきました。
しかし、その浸透とともに、ゲーム理論を用いた分析対象は、経営学、工学、情報科学、生物学など多様な広がりをみせています。
近年ゲーム理論への関心は一層高まり、特に最近では、2007年、2012年のノーベル経済学賞がゲーム理論やメカニズムデザインに関するものでした。
2001年には、ゲーム理論の分野で非常に大きな功績を残し、ノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュの半生を描いた映画『 A Beautiful Mind 』がアカデミー賞を受賞したことでも話題となりました。


ゲーム理論とは

ゲーム理論とは複数の行動主体が相互に依存しあう状況での意思決定を分析する理論です。

ゲーム理論では意思決定を行う主体をプレイヤーと呼びます。
社会ではこのプレイヤー(人間、企業、国家etc)は複数存在し、互いに関係を持っています。
例えば、ある企業の行動を見て別の企業が行動を変えるといったように、プレイヤーの行動は相互に影響を及ぼしあいます。
このように、社会で観察される相互依存関係の中でのプレイヤーの行動について、数理的に分析し、新たな発見をもたらそうとするのがゲーム理論といえます。


*1: J. von Neumann and O. Morgenstern [1944] Theory of Games and Economics Behavior, Princeton University Press; Princeton,